自己紹介とともに、自分の人生を振り返ってみる・4~再度不妊治療から現在~

その3からの続き

線維筋痛症悪化から約半年ほど、専門の先生に診ていただくことができ、私は少しづつ回復していきました。
けれど症状としては、痛み、こわばりが2、3割改善した程度で、ヒィヒィ言いながらやっと日常生活を送れる、というレベル。
加えて不眠症がどうしても良くならず、先生も「まずはしっかり眠る事、それができないと…」と、睡眠薬が全く効かない私に頭を抱えていました。(それでも、一睡もできない頃よりは多少マシになっていましたが…)

不眠症の人のイラスト(女性)

そんな中、先生に1つの提案をされました。
「もし体力、気持ち的に大丈夫そうだったら、ペットを飼ってみるのはすごくいいことだと思う。」と。

それを聞いた夫、
「飼おう!今すぐ飼おう!」


私も夫も、もちろん可能なら飼いたい。
飼いたいけれど、夫は夜が遅く、私はまだまだ不安定な状態。
毎日朝晩の散歩はきっと無理だな…

なんてことを友人に話したところ、
「え?じゃあ猫は?散歩の必要ないじゃん」と。

猫… 猫!?

実は私たち夫婦は、お互い子供のころから犬しか飼ったことがなく、完全な犬派で、
「ペット=犬」としか頭に浮かんでなかったんですよね。

けして猫が嫌いとかいうわけではなく、未知の存在で。
飼うとどんな生活になるんだ?というのが全く想像できなかったんです。

「猫かぁ…」と、その時から色々調べ始めたですが…

な、な、なにこの生き物…
かわいい、かわいすぎる。
調べれば調べるほど、夫とともに猫にメロメロになってしまっていったのでした(笑)

「ど どうしよう?まずは見に行ってみる?」と、評判のいいブリーダーさんのところへ。
そして、そこで出会った茶白トラの男の子に、夫が一目惚れしてしまったのでした…!(いや、私もメロメロでしたが!)

気が付いたら契約を完了していて、1週間後に正式に引き取りに行くことに!

1週間であの子を迎える準備をせねば!
と、猫トイレやら食事関係、キャットタワーと、大急ぎで準備しました。

先生の言っていた「ペットを飼うとよい」
これは本当でした。
「かわいいあの子を迎える準備をしなきゃ!」と思うと、体は辛くても、動けるんです。

そして無事我が家にお迎え。
やんちゃで元気なその子は、一瞬で私たちの宝物、最高の癒しの存在になりました…!✨✨

まだ私は1人では買い物に行けない(不調に加え、不安も大きかったため)ような状態だったのですが、この子の様子が少しおかしい、と感じれば、病院に1人で連れていくことができる。
この子に必要なものが足りない!となれば、すぐに買いに行ける。

そしてこの子をお迎えして約1ヶ月…
何と私は、睡眠薬ナシで朝まで眠れるようになったのでした!

動物の力、すごい。

ちなみにこの時お迎えした茶白トラくんは現在9歳。
まだまだ元気いっぱい、相変わらずかわいくて最高の癒しで…
私たちの大切な宝物です💖

そして睡眠の力もすごい。
眠れるようになってから、私の体調も快方に向かい、それから約半年後…
まだ症状は残っているものの、寛解といってもよい状態にまで回復しました。
…そしてその間、猫にすっかり魅了された我が家では、もう1匹家族が増えていたのでした(笑)

さて、この時の私は30代後半…
もう本格的に、真剣に考えなくてはいけない。

「子供をどうするか…」

線維筋痛症が悪化したのは、もしかしたら流産がきっかけだったかもしれない。
今後また妊活を始めて、また何かのきっかけで悪化してしまうことがあるかもしれない。

すごくすごく悩みました
夫とたくさん話し合いました。

結果、再び妊活を始めることを決めたのでした。

今度は期限を設けました。
「私が30代で産めないと確定した時点で諦める」。
※あくまで私たちが勝手に決めた期限で、30代で産めないのはダメ!とかそういう考えではないです、念のため…

体内受精では結果が出なかったため、もういきなり次のステップ、体外受精からスタート。
2度の採卵で、計6個の受精卵が育ち、6回胚移植をしました。

結果…!

1度も妊娠には至りませんでした…

そして決めた期限がやってきました。
このときから、私たちの「子供のいない人生」が始まったのでした。

ただ、不思議と落ち込んだりはしませんでした。

私は、「親になる」という気持ちを、一生理解することができません。
いや、想像はできます。でも、あくまで「想像」の域を出ない。
実際「経験」し、理解するという事はできません。
そういった意味で、「寂しい」と感じることはあります。

だって、できないものは仕方がない!
やれることはやった。
それでも授かれないなら、そういう運命。
子供を持つ人生、持たない人生、どちらかしか経験はできません。

だったらその人生を楽しんだほうがいいじゃないか!

素直にそう思えたのでした。

さて、この2度目の不妊治療期間中、おおきな変化がありました。
それは、

嫁、専業主婦からの卒業

です。

今の世の中、叩かれるランキング上位にランクインする「子なし専業主婦」だった私。
(というか、この『叩く』っていうの本当に意味分かりません。それそれの家庭に事情があるんだから、その夫婦が納得してればいいじゃないか!って思います!😠)

まぁ私の場合、体の問題で働くのを止められていただけで、私自身はやはり仕事はしたかったのです。
でも、寛解状態とはいえ、少し無理をするとすぐダメになってしまう体。
バイトをしても、迷惑をかけるだろうことが目に見えていたため、やはり夫から止められていたのです。

そんな私に転機が訪れます。

その1で、「絵の勉強を始めた」と書きましたが、その趣味は変わらず大好きで、楽しく続けていました。
SNSを通じて、同じ趣味の友達もたくさんでき、私の生きる楽しみの1つになっていたのです。

そんな中、絵仲間の1人から、こんな質問をされたのです。

「(私)さんはプロになる気はないの?」

は!?でした。
いやいやいや、私なんかの画力でプロなんて無理無理無理!
と、冗談を言われてると思い、そんなノリで返したのですが、

「無理じゃないって!十分プロとして通用するよ?挑戦しなきゃもったいない!」

どうやら本気で言ってくれたみたいでした…

そりゃ、大好きな絵を仕事にできたら、これ以上嬉しいことはありません。
自分では無理だと思っていても、そうではないと思ってくれている人がいる。
挑戦するだけならタダだ!
と、思い切って「お仕事募集」をしてみたところ…

来る!来る!来る!
依頼がどんどん舞い込んでくる!!
抱えきれずに、断らなければならないくらい!

嬉しかった…、めちゃくちゃ嬉しかったです。
…と、同時に不安もありました。

というのも、「初回1ヶ月間限定」で、かなり安めの価格で出していたからです。
最初だけで、期間も終わったら依頼が途絶えるんじゃないかと…

でも杞憂でした。
もちろん、安い時に購入して以降は一切声がかからなかったクライアントさんもいます。
けれど、価格が適正な値まで上がっても、変わらずリピートしてくださる方、新規でお声がけしてくださる方、ありがたいことに、仕事が途切れることはありませんでした。

絵の仕事は、自宅で、自分のペースで、無理なくできる。
このくらいのボリュームなら○○日でできるな、というのも分かりますし、余裕を持って納期を設定すれば、無理して体を壊すこともない。
体がしんどくなったら、少し横になればいい。
私にとって、これ以上ないくらいありがたい条件の仕事でした。

絵を描くというのは、実はめちゃくちゃ体力を使います。
そして頭もフル回転させなくてはいけません。
「好きでやってんだから楽でしょ~?」なんて言われることもありますが、とんでもない。
好きだし、楽しいけれど、けして楽ではありません。

実際私なんかは、体力がないので、1日に2~3時間の作業が限界です。
けれど、私は作業スピードがめちゃくちゃ速いので(これは絵仲間みんなに驚かれます笑)、このくらいの作業時間でも十分な収入になります。

本当に最高の仕事ができるようになったのです。

というか、ブログのタイトルに、偉そうに
「フリーランスDINKs妻!」なんて表記していますが、実際共働きになれたのは、ここ5、6年の話なんですよね…💧

けれどこれは、すべて夫のおかげ。
夫が生活の基盤をガッツリ築いてくれていたおかげで、体が万全ではない私は専業主婦をさせてもらえた。
余った時間で、好きな絵を勉強することができて、それがいつしか、仕事にできるまでになっていた。

子供のころ、親にさんざん酷いこと言われ、やめてしまった絵。
私は大人になってからもそれがずっとトラウマになっていて、絵を描いてることは夫にもずっと黙っていたんです。
バレないように道具は隠し、絵を描くのは夫がいないときだけ。

でも、絵を描くのが楽しくなってくると、夫のいる休日の、空いた時間にも描きたくて仕方なくなってくるんです。
そこでめちゃくちゃ勇気を出して、夫に絵を描いていることをカミングアウトしました。
なんと、絵を描き始めてから2年後です!

夫からの言葉は……

「すげーーー!!めっちゃすごいじゃん!!!!」

でした。
過去のトラウマから、「え?引かない?気持ち悪くない?」と聞いてしまったのですが、
「何で!?誰にでもできることじゃないのに!?すごいじゃん‼」と。

親の呪いから、やっと解き放たれることができた瞬間でした…

病気も、趣味も、不妊も、夫はいつでも、なんでも前向きに受け入れてくれました。
それは今でも変わりません。
本当に最高の夫です。

子供を授かることはできませんでしたが、今ではもう2人とも何とも思っていません。
夫婦2人と愛猫2匹の生活、十分楽しくて幸せです。

どうかこの幸せな時間が、ずっとずっと、1秒でも長く続きますように。

こんなに長くなるとは思わなかった!!
自己紹介終わります!!!